海外転職を考え始める際、面接する企業についてはもちろんですが事前に働き先の国についても調べておく必要があります。
いざ面接が進んだ際に国について調べ、「こんなはずじゃなかった」という事態を防ぐためです。
当然一番気になる「給与水準」や「現地の経済状況」については調べるでしょうが、実際に生活をするわけですからそれ以外にも調べるべき項目はたくさんあります。
今回は、海外転職検討時に事前に調べておきたい7項目について説明します。
この記事の目次
調べておきたい7項目
一番気になる給与以外に、少なくとも下記7つについては事前に調べ、十分に検討・シミュレーションしておくことをおすすめします。
- 治安
- 医療
- 病気
- 食事
- 教育環境
- ビザ
- キャリア
治安
日本の治安の良さは世界トップレベルです。逆を言えば日本人が日本の外に出れば「治安の悪い環境」に置かれることになります。
行きたい国、そして働く都市の治安はどのような状況でしょうか?
たとえ先進国でも欧州では治安が悪い国もありますし、アメリカでも都市によって差が激しいです。
また、アジアに目を向けるとシンガポール以外は軒並み日本よりも圧倒的に治安が悪いです。たとえばインドではお国柄女性に対する犯罪率が異常に高いです。
これら治安の情報は仕事選びの時点でもそうですが、実際に行ったあとの生活環境選びでも重要な情報です。
例えば、治安の悪い場所ではある程度セキュリティレベルの高いアパートに住まねばならず、会社の家賃補助が無い場合は住居費を睨んで給与交渉をしなければなりません。
医療
医療で注意したいのは「医療レベル」と「医療費」です。
この項目は「保険」の内容に関連してきます。
日本は国民皆保険が浸透しており、医療費の自己負担率が非常に低い国です。海外では往々にして治療費は日本より高くつく傾向にあり、民間保険が一般的で補償内容にもバラつきがあります。
風邪の治療で1万円、盲腸の治療で数10万円、骨折で100万円などは珍しくありません。また、新興国では医療レベルが低いため病気によっては「海外搬送」を伴う場合もあります。さらに、持病などがある場合は現地で薬が手に入らないことも考えられます。
事前に医療レベルや費用は熟知しておき、現地の海外就業者がどのような対応をしているか知っておきましょう。
病気(予防接種)
医療とは異なり、現地に存在する病気に対しても調べておきましょう。
特に新興国では「日本には存在しない病気」がいまだに蔓延している場合が少なくありません。
また、国によっては特定ウイルスに対する予防接種が義務付けられている場合もありますし、義務ではなくとも推奨されているものが多くあります。
各エリアや国の予防接種状況については厚生労働省のページをご参照ください。
食事
食事で重要な点は「日本食を食べる難易度」です。
「私は洋食やアジア料理が好きだから大丈夫」と高を括らないようにしましょう。よほど順応力が高い人でない場合、海外へ長く住むと必ず日本食が恋しくなります。
味覚というのは幼少期の体験で嗜好が確定しているため、大人になってからは変えられません。生活開始当初は美味しいと思っていた現地食も毎日続くと飽きが来てしまいます。
その際に近くに日本食があるかどうかが大変重要になってきます。
日本食レストランがあるかどうか(できれば日本人経営だと良い)、日本食の食材は現地スーパーで手に入るのか、価格はどれくらいなのか、は最低限調べておきましょう。
日本食がなかなか食べられない場合は渡航の際に持ち込んだり、渡航後にEMSにて送ってもらうなどして対処します。
教育環境
子供がすでにいる方は必ず調べておきましょう。
日本人学校の有無、インターナショナルスクールの有無、さらに双方の学費は最低限知る必要があります。
また、「学校の所在地」も重要です。学校の場所が限られているようなエリアだと、子供のために学校近くに住む場合がほとんどです。そしてお父さんは「通勤片道2時間」のような生活を強いられる場合もあります。
この辺りも「行ってみて想像と違った」となると厳しい状況に置かれるので注意しましょう。
ビザ(査証)
海外で外国人が働くためには必ず就業ビザ(査証)の取得が義務付けられています。
就業ビザは会社で用意してくれる場合もありますが、いずれにしろ知識として現地ビザ事情は抑えておく必要があります(※)。
※会社側手配でも資料準備が必要だったり取得のために自分で動かねばならないこともあります。また、万が一現地にて再転職する場合などは知識が無いと危険です。
ビザについてはこちらの記事をご参照ください。
キャリア
いざ現地で働いた後のキャリアについても俯瞰して情報を収集しておきましょう。
キャリアについては「海外で転職する場合」と「日本に戻る場合」の双方の可能性について考えておくと良いです。
キャリアプランは個人の人生設計や業種職種によって考え方が変わります。一概には何とも言えない部分ですが、一般的には
- 自身の業種職種において「海外」に関してどのようなトレンドがあるのか
- 自身の業種職種において当該国、エリアはどのような位置づけか
- 当該国、エリアではどのようなキャリアアップが望めるか
- 日本に帰国して働く場合にどのようなアピールができるか
などを自分の中で整理しておくと良いでしょう。
“面接を受ける前”にある程度の下調べを
海外転職の場合は内定後に出国準備などで忙しくなりがちです。
「内定後に調べればよい」という考えではなく必ず事前に調べておきましょう。