海外転職で失敗しない、準備・方法・転職エージェント

海外で働くなら知っておきたい日本人の強みとは?

海外に住んでいると当然ですが外国人として見られます。

そのため、日本に対して、日本で生活していた時よりも客観的に考えることが増えます。

考えることの一つに「日本人の特徴、そして日本人の強みとは何だろう?」というテーマがあります。

今回は数年海外で働き感じたことを、これから海外で働こうという人に向けてコラム的に書いておきたいと思います。

日本人に刷り込まれている「謙遜」

あなたは「日本人らしさ」についてどう思いますか?違う言い方をすると「日本人の国民性」とも呼べるかもしれません。

結論を先に書くと、筆者は「謙遜」だと考えています。

デジタル大辞泉を引くと、と謙遜とは「[名・形動](スル)へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。」いう意味となっています。

日本の国民性の話になると「謙虚」という言葉もよく出ます。「謙虚」は「自分を過大評価しない」という意味合いが強いです。どちらかと言えば「控える」「へりくだる」「自己を過少評価する」というニュアンスを含む「謙遜」の方が国民性に近いかなと考えています。

日本社会で生活するとあらゆるところで「謙遜する人」を見かけることが多いのではないでしょうか?

  • 褒められたら「大した事ありませんよ…」と一歩引く。
  • プレゼントを渡す時には「つまらないものですが…」と言葉をつけてから渡す。
  • 仕事を依頼すると「わからないけど、”できる限り”やってみます!」という返答が来る。

これらはどれも非常に日本人らしいふるまいです。

「出る杭は打たれる」という言葉があるように、日本社会では出すぎずに一歩引く態度を良しとする風潮があります。

 

海外ではどうでしょうか?

すべての国、すべての地域でこうである、とは言いませんが、おおむね下記のようになるでしょう。

  • 褒められたら「ありがとう!私もよく頑張ったと思います!」と素直に喜ぶ。
  • プレゼントを渡す時には「これは最高に美味しいんですよ!」といかに素晴らしい贈り物なのかを相手に伝える。
  • 仕事を依頼すると「任せてください、完璧にやりますよ」という自信満々の返事が来る。

実際、海外のビジネスシーンで「謙遜する人」はほとんど見ることがありません。

 

海外では謙遜する人はいない?

筆者が生活しているインドネシアは経済成長が著しいこともあり、様々な国の人が集まってきます。おかげさまで過去数年間で幅広い国の方と接点を持てました。

インドネシア人はもちろん、韓国人や中国人、さらにオーストラリア人やドイツ人、オランダ人など。

彼らと接していて感じたことは共通して「とにかく自信に溢れた自己アピールが強い」ことです。謙遜のけの字もありません。

商談では自社商品を「完璧だ」と言わんばかりに紹介してきますし、何を聞いてもほぼ即答で「できる」という返答がきます(※)。

※全然できないのに「できる」と言っている場合も多いので、ビジネスパートナーとしての良し悪しは別です。

日本人の感覚からすればもう「尊大」この上なく、自己アピールをしてくる人の多いこと多いこと…。

ただ、長く住んでいると逆に「むしろこれが普通なんだ」と感じるようになりました。

 

海外では「誰かが察してくれる」など思ってはいけない

繰り返しになりますが、外国人と仕事をするととにかく「自己アピール」や「自己主張」をしてくる人が多いです。

これは「言わなければ伝わらない」という考え方に基づいています。

先に日本の話をした方がわかりやすいでしょう。

日本の場合は「察する」という考え方が根付いています。

これは1000年以上一つの国の中で生活し、同じ言葉と同じ文化背景を持つ日本人同士だからこそ通じる考え方です。

日本語に「直接的な表現」より「間接的な表現」が多いのもそのためでしょう。

 

一方海外は違います。

数百年続いている国の方が珍しいですし、一つの国でも陸続きだと様々な文化圏の人が出入りしてきました。

そのため現在でも複数の公用語が存在する国もあります。

複数の民族や、複数の国民ルーツを持つ人たちが共存していることも珍しくありません。

 

そうなると相手を察することも、察してもらうこともできません。

期待する方が無駄ですし、期待すらしません。

シンプルに「言いたいことは言わないと絶対に伝わらない」。

この考え方が根底に根付いており、海外ビジネスマンたちの自信満々の自己アピールへと繋がっているのでしょう。

日本では謙遜することにメリットがある場合も多いですが、海外では得することはほぼないと考えた方が良いでしょう。

 

日本人の武器は「約束を守る」こと

それでは日本人のキャラクターとしての武器は何か?

それは「約束を守る」ことです。

あくまでも筆者の個人談となりますが、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、日本人は約束を守る、というイメージを持っている外国人は少なくありません。

特にビジネスの部分では以下のようなポジティブなイメージに繋がっています。

  • 納期を確実に守る
  • 支払いがしっかりしている(これは特に重要)
  • 品質に責任を持つ

もちろん中には日本との商売でトラブルがあり、嘘つき!という印象を持っている人もいます。あくまでも総合的なイメージとしてご理解ください。

「約束を守る」というイメージの中でも特に強いのが「日本人は時間を守る」という部分でしょう。

日本人は打ち合わせには時間ピタリと来る、という印象が強いようです。

日本社会の中で時間に遅れると、その時点で信頼を失うので当然と言えば当然です。

一方、海外では時間にルーズな国の方が多いでしょう。

筆者がいるインドネシアは特に時間にルーズで、打ち合わせの時間に来ても先方が揃っていない…ということは日常茶飯事です。

それでも時間を守り続けることに意味があるか?

筆者は自分たちだけでも時間を守り続けることには意味があると考えます。

その積み重ねが日本人の「約束を守る」というイメージを形成してきたのでしょうし、何より「時間を守れる」という武器になるからです。

 

最後に

極論、海外でビジネスマンとして働くのであれば「謙遜」という考え方は捨ててもいいくらいだと考えています。

日本社会だと引かれるくらいに自己アピールをするのが調度良いでしょう(日系企業の社内コミュニケーションは除く)。

一方で「約束を守る」という部分は海外でも武器になるので、維持してほしいところです。

それが私たちの先人が築いてきたことを次の世代へ引き継ぐことにもつながります。

最新記事

アクセスランキング