海外転職で失敗しない、準備・方法・転職エージェント

海外での仕事は楽?海外業務でのストレス事情をタイプ別に考える

「海外の仕事は日本と比べてストレスが少なくて楽そう…」

海外で働くことを目指している方の中にも実際このようなイメージを持っている方は少なくないようです。

実際は置かれる環境によって「大変」にもなれば「暇で楽」な場合もあります。

アジア地域で広く人材紹介を経験し、現地で働く友人も多いキャリアコンサルタントが「海外での仕事」の状況をお伝えします。

日本と異なる海外の働き方?

海外と日本では働き方は違う

「海外で働いている」というと、日本と海外の対比で仕事を語られることが少なくありません。

総じて「日本での仕事はストレスが多く、海外では無駄なストレスがない」という文脈で語られがちです。

実際「仕事の価値観」を比較するとこの考え方は間違えていません。海外は仕事と生活をくっきりとわけ、自分の生活やプライベートを大切にする風潮があります。

私自身でも日本で働いていたころを思い出すとたしかに「無駄な業務」で「無駄なストレス」は多くありました。

ちなみに当サイトでも過去に日本と海外の働き方の違いについてまとめています。

日本の常識は非常識!海外と日本の働き方の違い5つ

ただ、日本人が海外で働くとなると、必ずしもこの価値観に救われることばかりではありません。

特に日系企業で働く場合は本社と子会社の価値観の違いに挟まれてしまうことも多々あります。

例えば現場スタッフが「最低限仕事してさっさと帰る」価値観を持っている場合、マネージャーは「限られた時間で外国人を使って成果を出す」という究極的な状況に置かれることになります。

お伝えしたいポイントは「確かに海外と日本では働き方が異なるが、それが吉と出るパターンばかりではない」ということです。

 

働き方のタイプ別でストレスの理由や状況は異なる

海外で日本人が働くパターンは大きく分けて3つに大別できます。

  1. 日系の駐在員
  2. 日系の現地採用
  3. 外資系の現地採用

それぞれ置かれる環境がかなり異なるため、個別に考えてみます。

 

駐在員の仕事やストレス

「激務」で「ストレスフル」というイメージが強い駐在員ですが、実際の状況は業種や置かれている環境によって大きく異なります。

確かに激務で毎日早朝から深夜まで拘束されている人たちはいます。一方で明らかに社外から見ても「暇そうだなこのおじさん…」という方もいます。

忙しそうな業種の代表格は商社でしょう。海外駐在員の数が多いということもあり個人的な友人も多くいるのですが、総じて皆さん忙しく働いています。

特に働き盛りの30~40代は実務から接待、さらに日本からの出張者対応も多く本当に「激務」というイメージがあります。

基本的に駐在員は「現場のマネジメント(実務)」+「日本との結節点(実務外業務)」という2つのミッションがあります。そのため実務が忙しくなると自動的に「拘束時間MAX」なパターンにハマりやすいです。

ただでさえ調整が大変な現地スタッフのマネジメントに加え、日本側のケアもしなければなりませんから…。

ただ、同じ駐在員でも「生産拠点」でさらに「オペレーションがすでに構築されている」メーカー勤務の方などは暇そうな人も多いです(あくまで主観です)。

同じ「現場のマネジメント」でも、新たに何かを構築したり改変することがなく「管理」が中心になるとこういう状況も出てきます。

もちろん上記は私の目に映る範囲での話しなので一例にすぎません。例えば同じ商社でも例外的に自由度が高そうで忙しくなさそうな方もいたりします。

お伝えしたいポイントは「駐在員だからといって必ずしも激務というわけではない」という点です。

ただ、ストレスという意味ではどのような業種・企業規模であれ駐在員は「日本との板挟み」に会うことは間違いありません。

海外の事情を知らない日本の現場から無理難題を言われることも多々あるでしょう。

そういう意味では、最初慣れるまでのストレスは大きいです。ただ慣れてしまうと「そういうもんだ」と割り切って無心の境地でうまく立ち回る「無双」のような駐在員もいます。

 

日系現地採用の仕事やストレス

同じ日系企業で働くとしても、現地採用の場合はまた環境が変わってきます。

駐在員ほどの責務がない日系現地採用でも「激務」に入り込むパターンがあります。

1つめは「駐在員の上司に体よく使われる」パターン。

駐在員の中には現地採用をアシスタントのように考えている人も少なくありません。そのため業務でもそこまで重要じゃないメールの翻訳作業や、業務以外のプライベートな問題解決にまで巻き込まれてしまうパターンがあります。

こうなってくると現地採用と言えども仕事がストレスフルになります。

2つめは「現地で日本人が立ち上げている会社で働く」パターン。

同じ日系でも日本の会社が現地に子会社を作っているものと、日本人が現地で立ち上げたものでは企業文化がだいぶ異なります。

現地で日本人が立ち上げた会社では、日本人社員は基本的に「何でも自分でやる」ことを期待されます。組織化やうまくできていない会社も多く、細かい雑務に振り回され日本並みの残業を強いられている人たちもいます。

ただこの環境が「ストレスフル」かというと必ずしもそうではありません。ある意味で裁量権は高いとも言えますので、この環境を楽しんでいる人達も少なくありません。

 

総じて現地採用を語るとすれば「日本人」というくくりで自分を駐在員と比較してしまう人はストレス地獄かもしれません。

同じ日本人として働きながら給与には雲泥の差があります。ここを気にしてしまうと意味のない劣等感に悩まされることになるでしょう。

逆に「自分はすでに普通の日本人ではない」とある種の割り切りをしている人は「のほほん」とやっている印象を受けます。

これは仕事をしてない、という意味ではなく自分でやるべきことを決めて「かき乱されていない」というイメージ。ある意味では理想的な働き方の一つなのかもしれません。

 

外資系現地採用の仕事やストレス

最後は外資系。

海外でもまれに外資系企業で働く日本人たちがいます。外資系の本社から派遣されている日本人はほぼ皆無で、ほとんどは現地採用です。

外資系現地採用として働く方々は総じてストレスにさいなまされる方は少ない印象です。

外資系で働く場合は日本人と言えども「海外の仕事の価値観」にどっぷりと浸かることになります。そのため業務外の無駄な付き合いや、雑務を押し付けられる、ということがありません。

業務の面で「成果」に対するプレッシャーは強いのかもしれませんが、それ以外の「無駄なストレス」を彼ら、彼女らから感じたことはありません。

まぁ海外に来て外資系企業に勤める人たちには「自らの人生を自ら突き進むタイプの人間が多い」です。そのため多少仕事でプレッシャーを与えられたところで物ともしない人が多いのかもしれません。

成果さえ出しておけば細かいことは詮索されないため、労働時間も自分でコントロールしてうまくやっている方が多い印象です。

 

うまくやれる人にはストレスが少ない?

こうしてまとめてみると、置かれる環境で違いはありますが結局は「うまくやれるかどうか」にかかっている部分は大きいかもしれません。

多少仕事が忙しくてもストレスの面は上手に付き合っている人もたくさんいます。

とはいえ、転職した後に「こんなはずじゃなかった…」となるのは避けたいところです。事前に働き方のタイプや特徴をつかんでおくのが対策の第一歩だと思います。

各働き方については過去にまとめています。ご興味ある方はこちらの記事もご覧になってみてください。

いいことだけじゃない?駐在員になるメリットとデメリット

あなたはやってける?海外現地採用に向く人5つの特徴

現地で見た!東南アジアの海外駐在員と現地採用のリアルな違い

海外で外資系現地採用として働くメリット・デメリット

最新記事

アクセスランキング