たまに「日本の景気が心配で…給料もなかなか上がりませんし…勢いのある海外に飛び出せば給料は上がりますか?」という質問を受けます。
これは非常に難しい質問です。
人によってはグローバルなビジネスマンとして年収1000万円以上稼ぐ人もいる。逆に日本にいたときより給料が下がり、数年経っても過去を超えられない人もいる。
つまり「そんなのわかりません、人や場所次第ですよ」となってしまうのですが、それでは何の役にも立ちません(笑)
ということで必死に答えを絞り出してみると、今の段階での私の答えとしては下記です。
- 「遠くない未来」で海外の方が日本より稼ぎやすくなる可能性はある
- 逆にいえば「現時点」では日本の方が稼ぎやすい
- たとえ未来に進んでも「普通の日本人」には日本の方が稼ぎやすい
- 海外キャリアは「給料」だけではなく「生き方」の選択
詳細を以下で補足していきます。
ちなみに「海外駐在員」の場合はほぼ間違いなく日本国内勤務より給料はUPします。
ですので本記事では「海外現地採用(日系も外資も含む)」の話として書いていきます。
遠くない未来で海外の給料が日本の給料を超える?
現時点でも「そもそも所得の高い国や都市」では日本よりも現地の平均所得が高い場合があります。
特にITエンジニアなど技術職の場合は顕著に差が出るようです。日本は実力があっても若い人には高い給与を払わないですからね…。
また日本食シェフも海外では需要があります。日本人ならではの職種なので下手に日本で雇われるよりも給料が高いことも。
また、東南アジアなどの「平均所得が圧倒的に日本より低い国」でも、実力によっては日本人より高い給料を得る現地人が出現しています。
これらの国では年々最低賃金がうなぎのぼりです。
一方、日本では残念ながらここ平均年収は低下し、大卒賃金も20年以上変化がありません。
「生活」という視点で考えると収入以外にも「支出」や「生活の質」も関連するので一概には語れません。
しかし「給料」という視点だけで見ると今後日本の魅力は低下していくことになるでしょう。
それでも「普通の日本人」には日本の方が稼ぎやすい時代は続く
しかし、相対的に日本で稼げるお金の額が減っていくとは言えど、「数年以内」に起きることではありません。
また、多少の変動があったとして「誰がどう見ても日本は貧しい国だ」となることは考えにくいです。
何よりもポイントとなるのは、海外で数年働き続け転職支援をしてきた立場から素直な意見を言いますが、「普通の日本人」にとってはやはり日本が一番稼ぎやすい、という点です。
日本国内であれば語学以外のスキルアップにも取り組みやすいですし、スキルアップができればまだまだ日本には平均給与の高い会社もたくさんありますよね。
例えば平均年収ランキングで常にトップを走る「キーエンス」は平均年収が2000万円程度。こんな企業は海外ではなかなか見つかりません。
キーエンスは極端な例かもしれませんが、たとえば同じ「年収100万円を上げる努力」をするのであればやはり海外へ転職するよりも日本国内の方がやりやすいのです。
下記の記事でも書いていますが、海外に来たからと言ってすぐに給料が上がるわけでもなく、海外でも日本でも「専門性」や「キャリア戦略」が大切です。
さらに言えば、海外で高い給料をもらえている人たちを横から見ていると、「日本で働いたとしても評価は高いだろうなぁ」という人が多いです。
海外転職・海外キャリアは「給料」だけではなく「生き方」の選択である
ただそれでも海外で働きたいという人は多くいますし、実際に海外で光り輝いている日本人も増えています。
もちろん「海外の方が未来のチャンスが多い」という思いで日本を飛び出した人は多いですが、輝いている人に共通しているのは「給料だけを追っていない」という点です。
- せっかくこの時代に生まれたのだから海外で働いてみたい
- 海外で個人として戦ってみたい
- 海外生活にあこがれている
- 外国人と働き価値観を広げたい
- 小さくてもいいから将来起業したい
- 日本の良さを海外で証明したい
- サービス残業とか日本的な働き方が性に合わない
など、人によって動機はそれぞれですが「生き方」として海外を選択している人が多いように感じます。
給料だけを追うならば海外はおすすめしませんが、海外で働くという生き方を選択したい人はできるだけ早めにアクションを起こしたほうが良いでしょう。
「いつかは海外」という考え方だといつまでたっても変わりませんので。
今の時代3年もあればガラリと景色を変えることは可能です。
別記事で具体的な海外転職の準備もまとめていますので参考にしてみてください。
「もう気持ちが固まっている」という人はプロに相談するのが近道です。