日本で転職するのと同様に、海外に転職する場合でもキャリアプランは立てておいた方が良いです。
生活拠点を変える労力を考えると、海外転職の場合は日本以上にきちんと計画を立てた方が良いかもしれません。
しかし日本から離れて「海外」になってしまうと急にキャリアのイメージが湧きにくくなるかもしれません。
そのような時に役立つ海外キャリアの区分けの仕方をお伝えします。また、引用元ともなっているおすすめの書籍もお伝えします。
この記事の目次
よく言われる日本人が海外で働く方法
会社に就職すること前提の話ですが、日本人が海外で働く方法は主に3つあります。
- 日系企業の駐在員
- 日系企業の現地採用
- 外資系(ローカル系含む)企業の現地採用
1はイメージしやすいと思いますが、日系企業に転職し、日本から海外へ「駐在員」として派遣される形を指します。
2は日系企業に転職するものの、本社ではなくあくまで現地子会社や合弁会社の社員として雇用される形を指します。
3は日本以外の国の会社に雇用される形を取ります。
それぞれにメリットやデメリットがあります。詳しくは下記の記事を参照してみてください。
https://kaigai-tenshoku.net/how-to-move-to-abroad/
海外転職を「キャリア」としてとらえた時の3つのタイプ
働き方の方法論とは別に、海外転職を「キャリア」としてとらえた時には異なる考え方ができます。考え方というより、わかりやすく考えるための「区分」と言った方がピンとくるかもしれません。
それは下記3つの考え方です。
- 日本語(ローカル)ジョブ…日本語だけで完結する仕事
- グローカルジョブ…日本人のメリットを生かした仕事
- グローバルジョブ…国籍関係なしに働く仕事
この考え方は海外就職研究家の森山たつお氏の著書「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」で提唱されているものです。
出版から数年が経過しており中に書かれているデータはすでに古くなっていますが、書かれている考え方はまだまだ使える汎用的な内容となっています。
海外で働くイメージがまだぼんやりとしているなら、一読してみることをおすすめします。海外で働くイメージがぐっと具体的になるかもしれません。
以下で3つのキャリアタイプについて少し補足します。
①日本語(ローカル)ジョブ
海外では海外にいながらも日本語だけで働ける仕事もあります。まさに読んでそのままの日本語ジョブ。
代表的なものはコールセンターや伝票入力など、日本語を読めて話せれば対応可能な仕事となります。
「日本語を読めて話せれば」とは書きましたが堪能でなければならず、日本語を話せても外国人には難しい内容です。そのため日本人が採用されます。海外に事務所を置く理由は日本よりも維持費が安い、というシンプルな理由です。
本の中では「中国の大連やタイのバンコクに多い」とありますが、現在ではフィリピンやマレーシアに多いかと思います。
常に一定量の募集があり、海外経験が無くても採用されることも多い。さらに外国語不問で日本語さえ話せればOKです。
給与は決して多くはありませんが、オフィスがある新興国の物価は低いためそれなりの生活はできます。
ただ、海外で働くとはいえやっていることは日本の大学生アルバイトと同じなので「キャリアの拡張性」としてはかなり低いです。
ただ、海外生活しながら語学力(英語や現地語)を上げることで次のグローカルジョブにキャリアアップできる可能性があります(現地採用としてです)。
②グローカルジョブ
日本人である強み(言葉と商習慣の理解)を武器に海外で働く仕事のことです。
海外には多くの日系企業があり、その顧客のほとんども日系企業です。顧客側の担当者も日本人であることが多く、営業も日本語で行われる場合があります。
また日系海外子会社では定期的に本社への報告義務もあり、社内での会計処理やレポーティングも最終的に日本語で行われる場合もあります。
その際に必ずネイティブな日本人が必要になります。
社内には現地人もいますし、外資系企業の外国人へ営業をすることもあります。そのため最低限の語学力も求められますが、ものすごく流暢な英語力を求められることは少ないです。
「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」では主に現地採用に絞り込んで書かれていますが、広い意味では日系駐在員もこの「グローカルジョブ」のくくりに入るでしょう。
③グローバルジョブ
日本人であることを使わずに、純粋に「プロフェッショナル」として自分を売り込み働く仕事を指します。
世界的に展開するマルチナショナルカンパニー(P&Gやユニリーバ、ロレアル、など)の専門職として働いたり、現地法人の経営層として雇われることもあります。
このタイプの職場では国籍は関係なく、専門能力に秀でて結果を出せる人材が集まっています。そのため上司や同僚、部下も多国籍となることが多いでしょう。
当然「ビジネスレベル」の英語が求められます。英語を駆使しながら専門分野で成果を出さなければなれないので求められる要件は高いです。
その分報酬も高く、年収で1000万円を超える求人も少なくありません。経営レベルでの採用となれば2000万円近くになることも(超えることもあります)。
世界中で人とお金が行き来するようになった現在、これからますます需要が増えていくキャリアとなります。一方、日本人でこのキャリアに耐えられる人材があまりいないという現実もあります。
ゴール設定を明確にしておく必要性
あまり細かく書くと引用の範囲を超えてしまうので簡単に内容を抜粋して記載させていただきました。
気になる方は海外就職研究家の森山たつお氏の著書「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」原著を読んでください。
日本にいると海外での働き方というのはなかなか見えてこないものがあります。海外に飛び出してみてインプットが増え、初めて見えてくることもあるでしょう。
ただ、細かい戦術は後から変わるとしても「自分はどこに向かうのか?」というゴール設定はしておいた方が良いです。
船でいうと「舵取りの方向性」ですね。どの方向へどれくらいの期間で行きたいのかは決めておきましょう。
その際にこの手のキャリアの考え方は手助けとなるでしょう、という気持ちでご紹介させていただきました。