海外転職で失敗しない、準備・方法・転職エージェント

海外転職の光と影、それでもあなたは海外で働く理由がありますか?

あなたが海外で働いてみたい理由は何ですか?

  • 海外に飛び出して視野を広げたい
  • 語学力を活かしたい(伸ばしたい)
  • 外国人と仕事がしてみたい
  • 成長する海外市場で給与アップを狙いたい
  • とある国でどうしても暮らしたい
  • 日本のストレスフルな労働環境に疲れた
  • 満員電車にもう乗りたくない
  • 恋人や配偶者が外国人なのでとある国に移住したい
  • 私には日本のスケールは小さすぎる!

など様々な理由があるでしょう。

インターネットや本では、よく「面接での志望理由」を的にした情報はたくさんあります。

この記事では面接対策ではなく「本質としての海外で働く理由」について私見を本音で書いてみます。

特に「海外転職をするべきかどうか迷っている」という方の参考にしていただければ嬉しいです。

理想と現実はかなり違う海外での仕事

海外転職の理想と現実

海外で働くことを希望しているか否かによらず、日本で働いている人の中には「海外で働くってなんか格好いい」と思っている人が多いように感じます。また、それがそのまま海外転職の志望動機に繋がっている人もいるかもしれません。

何より私自身も、20代の頃は「なんとなく海外で働くって恰好いい」と思っていました(ちなみに今30代も半ば過ぎ)。

しかし実際に海外で働くとわかりますが、海外で働くというのは実際そこまで格好良いものでもありません(笑) ニューヨークやロンドンで働くならばわかりませんが、普通に海外で働く分には東京の丸の内や六本木で働いている方が格好良いのではないかな?と感じます。これは駐在員でも現地採用でも、はたまた起業家でも共通の意見だと思います。

海外で働くというのは日々「理想と現実のギャップ」や「泥臭さ」、そして「孤独感」がつきまとうものです。

日々の仕事や生活では言葉の壁もあり、言いたいことが言えなくてイライラすることも多々。

言葉以上に異なる文化に戸惑うこともあります。スケジュールに緩い同僚や外注先に日々リマインドを入れる、支払の督促で毎日のように得意先に押し掛けるなどもやらなければなりません。

また、外国人ばかりの職場で寂しく一人でランチを取ることもありますし、週末にどうしても暇を持て余してしまうこともあるかもしれません。

これは新興国でも先進国でも「異国で働く」場合には多かれ少なかれ共通でしょう。無理矢理一言でまとめると、海外で働くということは「派手ではなく限りなく地味」ということです。

たまに日本のテレビで「海外で成功した日本人」、として華のある仕事にド派手な生活をしている日本人が登場することがあります。あの人たちは超絶的に運が良かった人か、もしくは大失敗の末に粘り強く成功をつかみ取った人のどちらかです(※)。

※どこか別の記事で書きますが海外での「成功」の裏には必ず「失敗」があります。また、成功しているように見えている人が実はそうでもなかったり…と裏表が紙一重なのが面白いところです。

「働いて生活する海外」は「旅行で観る海外」や「テレビや映画で観る海外」とはかなり異なります。

 

日本で働いている方がキャリアアップは簡単?

海外よりの日本の方がキャリアアップは簡単?

「キャリアアップ」という面ではどうでしょうか?これからの時代は海外でのキャリアアップを!とい話も最近はよく聞きますね。

包み隠さず書けば「キャリアアップは可能だが海外でのキャリアアップや育成はリスクも伴う」となります。

まず前提として日系企業で働く場合は絶対的に本社採用の方が上の立場に立ちます。日系企業の中でキャリアアップを狙うならば、日本の本社に採用された上で駐在員として海外キャリアを積むのはアリだと思います。今後日系企業も現地採用の待遇を改善していく可能性はありますが、本社採用者の待遇を超えることは無いでしょう。

外資系に転職する場合は、スキルや実積が伴えば日本より良い待遇を得ることは可能です。ただ、日系企業とは異なりほぼ毎年解雇リスクが伴います。外資系企業の場合、業績コントロールのために固定費である「人件費」は削減の対象になりやすく頻繁に人員整理があります。

話が少し飛びますが、ある種「給与」だけ見ればこれからの世界はアジアで給与が上がっていく可能性は高いかもしれません。

中国系企業の成長は著しく、日本のニュースでも報道されるように日系企業の買収も珍しくありません。技術力も高まっていますし、中国が世界の中心になる日も近いと言われています。そうなると、「日系企業で働くよりも中国系企業で働いた方が良い給与をもらえる時代」がすぐそこまで来ているのかもしれません(事実、技術職では起き始めています)。

ただ、この場合も解雇リスクは付きまといます。

海外ではチャンスもありますがリスクも高い。自分の身は自分で守っていく意識が必要です。

そういう意味では「日本と海外のどちらがキャリアアップをしやすいか」と問われると、人によって意見は分かれてしまうでしょう。私は通常の人であれば日本でのキャリアアップの方が安全で簡単だと思っています。

 

起業するにも日本の方が簡単?

海外と日本の起業はどっちが簡単?

よく聞く話で「海外、特に新興国では社会課題が多いので起業チャンスがたくさんある」というのがあります。

これは事実です。私は現在東南アジアにいますが、周辺国含めて大なり小なり起業している日本人の方は少なくありません。

ただ、「起業しやすさ」と「成功しやすさ」は必ずしも同義ではありません。

先日とある若い起業家の方と話した際にも「収益だけ見た場合、同じ時間と労力をかけるなら日本で投じた方が成長できているかも」という話が上がりました。私自身も海外でスモールビジネスの立ち上げを経験しましたが、実際本気で大変です。

外国人が日本で起業するのと、日本人が日本で企業する場合にどちらが成功確度が高いか?を考えると自明です。社会課題をうまく見つけられたとしても、言葉の問題、商習慣の問題、人脈の問題、など様々な壁が外国人には立ちはだかります。「おぉ、君は外国人が!ぜひこの国をよくしてくれたまえ!」なんてことは起きません。

起業家の場合は「使命感」や「好奇心」が「待遇」よりも優先順位が高いのでやり続けられるのです。これがサラリーマンだと絶対的に厳しいでしょう。

 

「英語を使いたい」、「外国人と働きたい」なら日本で働くべき

外国人

こうして書くと「給与や安定」だけで見れば海外で働くのはけっこうシビアと言わざるを得ません。

そんな「海外転職」ですが、それでもあなたが海外で働きたい理由は何でしょうか?

その理由は「本当に日本では解消(実現)できないこと」なのでしょうか?

 

例えば「英語を使って働きたい」、「外国人と働いてみたい」という理由であればそれは日本でもできると思います。

実際、「海外で働く日本人」よりも「日本にいながら海外と関わる日本人」の方が多いでしょう。日本にいながらも英語まみれ、外国人まみれの生活を送ることは可能です。

私の友人にも日系企業の「海外M&A事業部」に所属し、一年の半分以上海外を飛び回り、仕事では日本語よりも英語メインという人がいます。

ちなみにその人は過去に海外で10年ほど働いていましたが、もう日本からは出たくないと言っています(笑)

また、「日系企業の文化に疲れた」や「実力主義の下で働きたい」という場合も「日本にオフィスがある外資系企業」で働けば問題解決できるでしょう。私は日本にいた時に、同じ業界内にて日系企業と外資系企業の両方で働きました。比較するとよくわかるのですが、かなり企業文化は違いました。

 

「暮らしてみたい」、「生活をしてみたい」は意外にも必要な理由

生活

それではよくある「海外で暮らしてみたい」、「海外で生活してみたい」という理由はどうでしょう?「転職の教科書」的な本やブログでは「海外転職・就職の理由としては不適当」とされることが多いです。

ただ、私個人実際に海外生活している立場から申し上げると、主観が伴いますが「多かれ少なかれ絶対に必要になる理由」だと思っています。

誤解しないでほしいのは「暮らしてみたい」だけではNGで、論理的な目的や計画も必要という点です。

https://kaigai-tenshoku.net/failure-reason/

https://kaigai-tenshoku.net/how-to-work-abroad/

ただ、海外で長く健やかに働いている人には「働き方」だけではなく「暮らし方」が軸になっている人も多いです。

「この国の雰囲気が好き」、「海外自体が好き」など範囲は人それぞれですが多かれ少なかれ「感情的な理由」も持っています。

これも実際に働くとわかるのですが、どれだけ現地での仕事が自分のキャリアにメリットがあったとしても、その国や街での生活自体を受け入れられないと持たないです。

「違い」や「変化」を楽しみながら自分に取り込めるくらいの人が海外には向いています。そのためには多かれ少なかれ感情的な「好奇心」のようなものを持っておく必要があります。

そういう意味では最初に海外転職を考えるきっかけが「この国(エリア)で働いてみたい」でも構わないのではないでしょうか。

ちなみに何を隠そう私自身が海外で働くきっかけになったのが「人生で一度は海外で働いてみたい、働くなら伸び盛りのアジアエリアを見ておきたい」というものでした。

 

転職活動の面接ではそれなりの「真面目な」回答が必要

つらつらと思うところを書いてきましたが、実際に転職を進める際は「面接用の回答」準備は必要です。

「この国で暮らしてみたい」という「感情的な理由」だけでは企業側としては受け入れられません。

企業としては「いかにこの人材が事業に貢献できるか」という視点でしか判断しませんので、自分のスキルや想いを事業につなげて説明することが必要です。

これは正直テクニック論です。面接用の志望動機や志望理由の考え方については別の記事でまとめたいと思います。

 

自分の中には「本音」の理由を明文化しておく

面接用に志望理由は考えながらも、自分には正直でいた方が良いでしょう。本来の理由や動機を無理矢理捻じ曲げてしまっても、結局はどこかで燃え尽きてしまうことになります。

全ての物事が白か黒かで決められるものではなく、何事も大切なのはバランスです。面接用に志望動機は準備しつつも、自分の中での初期衝動は持っていても全然構わないのではないでしょうか。

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