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コロナ後の海外駐在・海外勤務はどうなっていくのか?

新型コロナは人々の働き方に大きな影響を与えています。

世界中で生じているものですから、もちろん海外で働く日本人へ与える影響も大きいです。

「海外で働く第一歩」をテーマとしている当サイトとしては、「今後海外で働く日本人、特に駐在員はどうなっていくのか?」が気になるポイント。

東南アジアや実際に外国で勤務している方より、ここ数カ月で見聞きしたことを踏まえつつ感じた点をまとめます。

  • これから駐在員を目指す人
  • 働き方問わず海外転職を目指す人
  • 海外から日本に戻って転職を目指す人

 

は参考にしてみてください。

この記事の目次

アジア地域の駐在員の3割が日本へ退避済

2020年4月時点でNNAが取得した調査によれば、アジア地域に駐在している会社員の約3割がコロナの影響により日本へ一時退去したとのことでした。

記事によれば、私が生活拠点を構えているジャカルタの場合は約7割程度が退避となっており、体感値ともそこまでずれてないかなと感じます。

退避した時点では「一時退避」の扱いであり、実際に7月以降海外再赴任を予定している人たちもいます。

一方で「一時退避」がいつの間にやら「本帰国」の扱いとなり、海外へ戻ることなく「日本国内で地方転勤」という境遇の人も少なくないようです。

会社的には日本へ戻らせたものの、海外へ再赴任させる目途も立たず…。とはいえ本社には配置できる場所がない、ということで地方へ赴任という判断にならざるを得ないのでしょう。

 

海外駐在を取り巻く環境はどう変わる?

コロナによる影響が様々な部分で「働き方を変える」と言われています。日本国内でも在宅勤務の普及により変化が生じています。同じく「海外駐在」に対しても大きな影響を与えるでしょう。

コロナにより「物理的に海外渡航できない」状態だけの変化ではなく、コロナ解消後もいくつかの変化が残ると思われます。

起きそうな変化をピックアップします。

 

家族帯同は減る可能性が高い

今回のコロナ騒動により、企業がまず感じたことは「リスクコントロール」です。

海外現地での業務外でのリスクは最小化すべし、と痛感した企業が多いはずです。

「パンデミック」が100年に一度の災厄だったとしても、今後も注意すべき事項としては残るでしょう。

家族帯同は数字の面だけ見れば、感染や事故のリスクが倍以上に膨れます(責任を取るべき対象者の数が増えるため)。

また、コストの面でも高くつきます。平常時のコストもそうですが、今回のような「緊急退避」となった場合に企業が負担するコストは少なくはありません。

雑に書いてしまえば、家族帯同はリスクもコストも高くつく(企業側からの目線です)。

また人員配置に流動性を持たせる場合、家族帯同よりも単身の方が流動性は高いです。

これらの企業側の事情を鑑みると、今後「家族帯同」させる企業の数は減少するかもしれません。

 

出張ベースの海外担当者は増え、駐在員は最低人数のみの配置に

緊急退避した後も、多くの企業では遠隔から現地法人を回す必要に迫られています。退避したから事業を止めるというわけにはいきません。

そのため暫定的ではあるものの、オンラインツールを使い「日本から現地スタッフをマネジメントする」パターンが急増しました。

急増しました…というより、そうせざるを得ない状況ですね。

 

しかし、暫定的とはいえこの状況が長引けば企業はこう考えます。

「オンラインをうまく使えば海外駐在させなくてもマネジメントできるのでは?」

実際に日本から上手に現地チームをコントロールしている人たちもいます。たいがい企業側というのは企業に都合の良い面をピックアップしがちなので、一部の状況を見て全体に当てはめる。

そうなるとコストのかかる駐在ではなく「出張+オンラインマネジメント」の方針が増える可能性があります。

ただ、日本から海外をコントロールできるのは「すでに現地で地盤ができている」からに他なりません。

担当者が現地で汗水垂らして信頼を構築したからこそ、遠隔でも事業を回せるのです。それに遠隔から事業「立ち上げ」できるほど海外ビジネスは甘くありません。

上記を鑑みると、「駐在員の削減傾向は進むものの、最低限の配置は残る」と考えるのが妥当でしょう。

 

駐在員はプロ化が進み、より狭き門になる?

リスクやコストコントロールの観点からも、テクノロジー進化の観点からも、今後駐在員の数が削減傾向となる可能性は高いでしょう。

特に海外展開の中心となるアジア地域では、コロナ禍以前より駐在員のコスト問題はありました。

日本にいれば1500万円(給与ではなくコストベース)の人材でも、海外赴任させれば3000万円以上になる。製造業はまだしも、サービス業などでは駐在員の人件費が事業の損益分岐点を押し上げ、現地での競争力を下げる原因となっていました。

コロナを契機として駐在員削減傾向がさらに進む可能性は高いでしょう。自ずと海外駐在員のプロ化が進むはずです。

具体的には海外経験者の需要が高まるでしょう。企業内では海外担当者がローテーションで海外市場を長期で担当していく可能性があります(本人が望む望まないは別として)。

 

現地採用の取り込みはどう進むか?

個人的に最も注目したのは、現地採用の活用法です。日本から人材を送り込むよりも、コストの面でもリスクの面でも抑えることができます。

しばらくは国をまたいだ移動も面倒な状況が続きそうですし、その後も駐在員は削減傾向となる。その際に現地にそもそも根を張る日本人材の重要性は増すかもしれません。

帰属意識や責任意識の問題、さらに待遇の問題などはありますが、どのように最適化されていくのか興味深いですね。

欧米における雇用のような扱いで、待遇面は高めに設定してマネジメントとして配置(それでも駐在員を配置するより安くつくはず)。本社での責任者が別で配置し、出張ベースで複数国を担当する、という配置の仕方も今後はあり得るかもしれません。

いずれにしろ一つだけ確かなことは「コロナ禍前と同じ形に戻るということはない」ということでしょう。

 

現在海外にいて日本に戻りたいという層

駐在員だけでなく、現在海外で勤務していて、日本に戻りたい、でもなかなか転職先がないという方からの相談も良く受けます。

エージェントや転職サイトも含め、オフライン中心だった面談は国内どうしでもコロナ禍ではオンライン面談になってきており、そういった意味では、ZOOMやHangout、Skypeなどを使えるエージェントが増えてきています。

海外からの応募でも日本人を求める企業が多いのが現状です。臨機応変に対応してくれるエージェント、転職サイトを使うべきでしょう。

最近では、「英語」や「海外経験」を強みをもとに活躍できる転職案件を持った海外経験者・留学経験者専門の転職サービスも出てきており、海外経験者に特化している強みを活かしたサービスを受けるのもひとつの手かもしれません。

 

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