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海外で働くなら人前で相手を怒ってはいけませんよ、という話

今回は実際に海外(東アジア→東南アジア)で数年間働いている立場からコラム的なものを書きます。

当サイトは海外でいつか働きたい、転職したい!という方が読んでいるかと思いますが、転職前の「心構え」の一つとして役立つ内容かと思います。

それは「海外では人を人前で怒ってはいけません」いう話です。

これができないと海外転職をしても人の信頼は得られませんし、あなた自身の立場や心理状況も辛くなってしまいます。

日本国内でも当てはまる部分があるかもしれないので、ぜひ一度考えてみてください。

この記事の目次

東南アジア人はプライドが高いから人前で怒ってはならない?

先日Twitterを何気なく見ていたらこんなツイートが流れてきました。

https://twitter.com/hisa_ken/status/1074249439038951424

 

私は現在インドネシアという国を拠点にしています。インドネシアに来るときに私も「人前で怒ってはいけない」と様々な方に教えられました。

でも、他の国で働く人たちの話を聞くと確かに他の国でも「人前で人を怒ってはならない」と教わることが多いようです。

 

インドネシアの場合は特に顕著で、過去に「従業員を人前で叱責したことにより他従業員から総スカンを食らった日本人」や「報復として黒魔術をかけられた」などの話も聞きました。

「怒られ慣れていない」ということもあり、人前で怒られると「ひどく尊厳を傷づけられた」と感じてしまうんですね。

 

なぜ人前で怒ることを良しとしないのか?

この話をすると普通の日本人は「東南アジア人は我慢をすることを知らないんだ」と考えます。

たしかに結果として「我慢が足りない」と捉えることも間違いではないのですが、「我慢ができない」というのはその文化が生んだ「結果」です。

「我慢ができない」から「人前で怒ってはいけない」のではありません。

なぜ「人前で怒ることを良しとしないのか?」という話まで掘り下げてみてください。

 

現地でインドネシア人たちと話すと、「人前で怒るとその人の尊厳を侮辱することになる」という話をされます。

これが面白いのが大人だけではなく子供にも適応されていること。

インドネシアでは子供を怒ることもほとんどありません。その分「躾ができていない」と感じることも多いのですが、脱線するのでここではその良しあしは議論しません。

なぜ子供にも怒らないのか?

それに対しては「子供の尊厳を傷つけ、自信のない大人にしてしまうからだ」という意見をもらいました。

人前で人を叱りつけたり怒ることは相手の尊厳を傷つける。侮辱にも等しい行為であり、少なくとも会話ができるレベルまで子供が育っているのであれば「対話」で解決すべきだ、という考え方です。

 

このような背景があり、おそらくアジア全体で共通なのでしょうが、職場で人を怒る必要がある時は人影や個室に呼び出して叱責をします。

大勢の前でやり玉に挙げることはほとんどありません。

 

大声で人を怒ると当人の格も下げる

「職場」でのシーンを想定して記事を書いていますが、実は職場だけの話でもありません。

普段の生活にも影響してきます。

例えばホテルやレストランの話。

日本は客商売のサービス基準が異常に高い国です(ここでは良し悪しは語りません)。

そのため海外に来たばかりのころは不満を感じることも多いでしょう。

ホテルやレストランでひどいサービスに合うことも多いです。日本であれば「もう我慢できない!責任者を呼べ!」と「バンッ!」とテーブルを叩くかもしれません。

でもこれ、海外でやるとNGです。少なくともインドネシアではNG。

一気にあなたの立場を悪くします。

「自分の感情もコントロールできない人間が言っていることがだからきっとこいつに非があるのだろう」と決めつけらえても文句は言えないレベルです。

大声で怒ることは相手の尊厳を傷つけるばかりか、あなたの尊厳を一気に下げてしまう可能性もあります。

 

人前で怒ることで改善を引き出せるのは日本人だけ

日本の会社では人前で相手を怒ることを「よし」としないまでも「悪いこと」とは考えません。

会議などでも成績が悪い営業チームはかなりの叱責に晒されることもあるでしょう(私は過去にありましたw)。

私は心理学の専門家ではないので深くは語りませんが、日本人の国民性が強く影響しているのだと思います。

個よりも集団を重んじる「和を以て貴しとなす」という考え方です。

全体を乱していることを全体の中でわからせることで「全体に合わせて改善して努力する」という気持ちを引き出せるのかもしれません。

しかし「個」を尊重し「違い」がある前提で人々が生活する海外では難しいでしょう。

 

東南アジアだけの話かな?と思い調べていくとアメリカや欧州でも割と共通して「人前では怒らない」らしく、やはり日本が特殊なんだと思います。

日本の常識は一歩外へ出れば非常識なんですね。

 

前提が違いすぎる相手には叱責したところで意味がない

前提が違いすぎる相手に「叱れば私の怒りが伝わるだろう」と甘い考えでコミュニケーションをとるのは良策ではありません。

価値観が違いすぎると怒っても本当に意味はないです。国境を超えると強く感じますよ。

人前で怒らないことはもちろん、人影で「怒る」時にも感情的にならず、冷静に「どうやったら問題解決できるか?」とう視点が大切になってきます。

まずはとにかく怒らない。はらわたが煮えくりかえっても、その場では言葉に出さない。感情のままに怒っても私たちにメリットは一つもありません。

怒るなら計画的に怒る癖をつけておきましょう。

どうしても感情的になってしまいがち…という方は一度体系的に「怒り」について学ぶことをおすすめします。

この辺りの書籍を一冊読むだけでだいぶ考え方が変わりますよ。

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

アンガーマネジメント (日経文庫)

先日も知人が働く会社で、日本人上司が「パワハラ」で本社密告され日本へ強制帰国となりました。

この辺りの本を読んでおけば防げたのかな…なんてつまらないことを思い出しました。

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