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【海外キャリア】東南アジア人の給与が日本人の給与を追い越す日が来る?

東南アジアの「富裕層」はお金持ちで有名です。下手な日本人よりもかなり潤沢な資産を持っています。

近い将来これが富裕層に限った話ではなくなるかもしれません。

結論から書くと部分的にですが、すでに「東南アジア人だけど日本で働く日本人より所得が高いサラリーマン」というのは生まれています。

だからといって日本国内での働き方に今すぐに影響が出る話ではありません。

しかし海外転職したいならば押さえておいた方が良い潮流です。

なぜなら海外で働く場合はその国やエリアの給与水準が大きく影響を与えるからです。

極端な話、当該国での給与水準が上がれば現地採用と言えども高い報酬をもらえる可能性が増えてくるわけです。

ということで、思うところを書いてみます。

この記事の目次

給与の伸びが停滞どころか減退している日本

日本の平均給与を見てみると、ここ数年は420万円前後で「停滞」しているように見えます。ところが20年ほどの単位で見てみると明らかに「減退」していることがわかります。

下記は平成9年~平成27年にかけての「日本の平均年収」の推移を抜粋したものです。

引用元:http://k-strategy.net/japanese-average-annual-income

平成9年あたりまでは「あわや平均年収500万円!?」というところまで行きましたが、その後は右肩下がりでいまだに回復していません。

職種や地域によってばらつきはありますが、残念ながら全体的に減退傾向となっています。

少子高齢化が進み労働人口が減る中、これといって新しい産業も生まれていない日本。

これからV字回復していく可能性は残念ながら低いでしょう(←もちろん日本人として回復してほしいとは思っております)。

 

東南アジアの最低賃金の伸びは著しい

私は現在ASEANを拠点として生活しています。

国にもよりますが軒並み毎年5%程度でGDPが成長しています。

そしてGDPの勢いを受け労働者の所得も伸長。

格差が激しいため「平均所得」を語るのは難しいのですが「最低賃金」を見るとその勢いがわかります。

例えば私が生活拠点としているインドネシアでは特に最低賃金の伸びが著しいです。

下記はJETROがまとめているインドネシアの月額最低賃金の推移表です。

引用元:https://www.jetro.go.jp/biznews/2016/12/4a7bd141fa7ebaa6.html

通貨単位の「ルピア」の価値はおおよそ日本円の0.08倍程度です。

例えば首都である「ジャカルタ特別州」を見てみると、2013年時点の最低賃金は220万ルピアなので1.76万円程度。

ところが2017年には335万ルピアなので2.68万円まで伸びています。

つまり4年程度で最低賃金が50%以上増加している計算となります。

実際にすべての企業がこの最低賃金を厳守しているわけではありません。

しかしコンプライアンスを重視している大手企業や外資系企業は遵守しており、毎年毎年給与に反映されています。

ちなみに日本では「時給」単位では最低賃金が上昇していますが、企業勤めの場合は実感として上昇している感覚はないと思います。

厚生労働省のまとめている【平成29年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況】などを見てみると、実際日本での大卒の初任給は1990年代からほぼ変化しておらず、20万円前後となっています。

 

すでに一部の仕事では日本人の給与を超えている?

「停滞しているとはいえ日本の初任給は20万円程度。東南アジアで月額数万円の人たちなんて別世界の話でしょ?」

と思われるかもしれません。

ところが、この「月額数万円」はあくまでも「最低賃金」。日本と同じように企業によって報酬体系は変わりますし、能力によっても変わってきます。

一部ではすでに「日本人よりも給料を稼ぐ東南アジアのサラリーマン」が生まれています。

ここでは私の肌感があるインドネシアのジャカルタという街の話をします。

例えば事業をまとめる幹部クラスでは、円にして月額4~50万円を受け取る人材が生まれています。

私の知人でフィリピンからインドネシアに来て働いているAさんという女性がいます。彼女はBtoBのマーケティングコンサルタントとしてチームをまとめています。

そんなAさんの所得はまさに月額50万円。

最初聞いた時、私も「え?日本人より多くない?」と驚きました。

現段階でこの程度もらえているのであれば10年後に1割2割増加して60~70万円となる可能性もあります。

 

また、幹部以外の一般会社員でも所得が増えています。

 

例えば好調な自動車産業では月額給与は高くはありませんが、潤沢なボーナスが付与されます。会社によっては15カ月分ほどの賞与がつく場合もあります。

実際にあった話ですが、月額8万円程度の給与をもらう20代中盤のLさんという男性がいました。

普通に考えると年収が8万円×12カ月で96万円。「まだまだ日本より低い」と思うかもしれませんね。

ところがもろもろのボーナスが15か月分程度出たそうです。

となると8万円×(12カ月+15カ月)=216万円。月額に換算すると18万円です。

生活に必要なコストは日本よりも断然低く、下手したら日本の若者よりもよい暮らしをしているかもしれませんね(彼は実際20代でありがら自動車と自宅を購入しています)。

Lさんの話は本当に恵まれたケースの話(一部の超優良企業)ですが、すでに一部ではこのような状況が生まれているのです。

 

日本で働く=低所得者となる日が来る?

東南アジアでは最低賃金が年々上昇し、企業によっては実際の報酬体系も魅力的なケースも生まれています。

地域差はありますが中国の一部都市や企業でも、メーカーのエンジニアなど専門職ではものすごい好待遇のケースが生まれていますね。

数年単位では働き方というものは変わらないかもしれません。

しかしそう遠くない未来、日本で働くよりも海外で働いた方が所得が増える時代が来るかもしれません。

日本人も出稼ぎが選択肢となる時代の到来です。

ただ、日本は日本で「解雇リスクが低い」などのメリットはありますよね。やはり合う合わないもあるとは思うので選択は慎重に。

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