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新卒での海外就職はおすすめできない3つの理由

最近は新卒で海外就職を考える人も増えてきました。

実際に海外で働く身として、若い日本人が積極的に海外に出てくるのは嬉しく感じます。

一方、新卒での海外就職はおすすめできない、という複雑な気持ちもあります。

この記事では

  • 新卒海外就職の現実
  • 新卒での海外就職がおすすめできない理由
  • 新卒でも例外的におすすめできるパターン

についてまとめています。

新卒海外就職のマイナス面はあまり伝えられていない

私は現在東南アジアで人材関連の仕事をしています。日本含め世界中の企業が積極的に進出している東南アジア。現地で働く日本人もかなりの数に上ります。

中には新卒採用でいきなり海外現地企業に飛び込んで働いている人もいます。

海外就職関連のWebメディアやブログを見ると、彼/彼女らはかなりキラキラと輝いているように紹介されています。

確かに新卒でも充実した海外ビジネスライフを送っている人はいますが、その影にはくすぶっている人も多数います。このことはあまり伝えられていません。

くすぶってしまう理由の多くはキャリア形成。

特に新卒で働き始めて2~3年経過すると悩みが顕在化してきます。

以降で詳しく書きますが、海外で新卒就職すると日本国内の新卒と比較してキャリアの拡張性がかなり低くなってしまうのです。

 

新卒に海外就職がおすすめできない理由(デメリット)

新卒での海外就職がおすすめできない主な理由は「キャリアが形成しにくくなるから」です。もう少し細かく理由(デメリット)をお伝えします。

[box03 title=”新卒海外就職のデメリット”]
  • 教育がないのでスキルが身につかない
  • 日本人としてビジネスマナーに欠けてしまう
  • 人脈が広がらない
[/box03]

 

教育がないのでスキルが身につかない

最も大きな問題はスキルが身につかないことです。どの仕事でも使うことになる汎用的なビジネススキルも、キャリアの武器となる専門スキルも身に着けることがなかなか難しい。

日系企業の場合「新卒は何もできない人」という前提から始まります。

そのため会社側が新卒を育てることが大前提となっています。多くの場合は新卒用の研修プログラムが組まれていますし、研修後も先輩や上司の責任として新卒を教育してくれます。

一方海外では真逆です。「新卒だろうが関係ない、あなたの専門性は何?」というところから考え方が始まります。

新卒でも何かできて当然。

社員のスキルアップは個人の問題で会社はほとんどサポートしません。

 

「いやいや、海外でも日系資本で経営されている会社ならそんなことないでしょ?」と思われたかもしれませんが、日系資本の会社も例外ではありません。

 

日本から新卒で海外就職する場合は通常下記2つが選択肢となります。

  1. 大手日系企業の現地子会社
  2. 現地で日本人が経営する中小企業やスタートアップ

前者(大手日系企業の現地子会社)の場合、日本から送られてくる駐在員が上司や先輩となります。

駐在員は短い任期で成果を出さなければならないため、現地社員の教育には興味を示しません…というより自分で精いっぱいなので教えている余裕はありません。

 

後者(現地で日本人が経営する中小企業やスタートアップ)の場合は社長や同じく現地採用の社員が上司となります。

ただ、この場合では企業文化がすでに海外企業に近くなっているのでそもそも教育して丁寧に育てよう、という考え方に乏しいです。

スタートアップの場合は一人で担当する業務幅が広いため、仕事の中で様々な経験を積むことはできるかもしれません。しかし往々にして「広く浅く」なります。

また日本ほど複雑な仕事は任されないのでスキルアップに限界があるでしょう(日本語を流暢に話せる&約束を守れること、程度が会社からの期待値だったりします)。

 

日本人としてビジネスマナーに欠けてしまう

スキルと似ていますが、マナーの面も大きいです。

良し悪しは別として日本人は独特のビジネスマナーを持っています。

名刺の受け取り方から書類の送り方、メールの書き方に会食の座席配置や立ち居振る舞いなど新社会人が学ぶことは多数あります。

また、日系企業独特の社内文化というものがあり、この文化を知っているか否かはビジネス上非常に重要になってきます。

 

海外でも日本人と仕事をする場合、多少のことは学べるかもしれません。しかしやはり限界はあります。

そもそも現地にいる日本人は海外慣れしているので多少寛容になっています。そのため本来の日本流マナーまでは求めてこない場合が多い。

海外で働く分には「そのレベル感」に合わせればいいや、と思うかもしれませんが、それでも「知っているけどやらない」のと「知らないからできない」というのは別です。

今後ビジネスで日本に関わる場合に障害となる可能性はあります。

 

人脈が広がらない

現地文化に馴染むことで外国人の人脈は増えていくかもしれませんが、日本人の人脈は同世代と比べて間違いなく減ります。

若い時期に業界を超えて様々な人たちと交流することは非常に重要な経験です。また、人脈自体が後にビジネスに生きてくることもあります。

外国人の人脈も希少で素晴らしいものですが、日本人として生きていくのであれば日本人の人脈もやはり重要です。

海外でも現地在住の日本人人脈を作ることはできますが、日本国内の場合と比較すると人脈の幅にはかなり限界があります。

 

上記のような背景があり、2~3年経過すると「このままでいいのだろうか?」と感じ始める人が多いのです。

海外に若くして来たから海外キャリアが勝手に形成されるわけではありません。そのため生半可な気持ちで海外就職をするくらいなら、日本で多少経験を積んでから海外へ来た方が良いと感じるのです。

ただし、例外はあります。

 

すでに海外を知っている人は例外

「すでに海外が自分のフィールドになっている人」は別です。

 

たとえば「帰国子女」のケース。

物心ついたころから海外育ちで、英語を使うことに対する抵抗は全くない。友人も日本人より外国人の方が多い。大学も海外の大学を卒業した。

この手の場合はすでに日本人としてではなくグローバルビジネスマンとして生きていく素養ができているので、好きな選択をすればよいと思います。

むしろ無理に日系企業に就職すると企業文化が合わなくて嫌になってしまうかもしれません。

 

別のケースは「すでに海外で生きていくと決めている人」。かつ独立心が旺盛だとさらに良しです。

こういう人たちはすでに「自分の人生は自分で切り開く」という覚悟ができているので早めに海外に出てきた方がよいでしょう。

実際現地で輝いている20代前半の人たちはこのタイプがほとんどです。会社員という枠組みの中ではなく「一人の国際人」として道を切り開いています。

社員としてだけではなく自分でスモールビジネスを立ち上げたり、現地で専門家のポジションを作り上げて活躍していたりします。

逆に彼/彼女らを見ていると「日本で働くのは合わないだろうな…」と思うことすらありますね。

 

新卒ではなく第二新卒としての海外転職でも遅くない

生半可な気持ちで新卒海外就職を考えているなら、一度立ち止まってみてください。

「なんか海外の方が面白そうだから…」や「自分には海外の方が合っているんじゃないか?」程度であれば、一度日本で新卒として働いてからでも遅くはありません。

必ずしもいきなり海外就職しなくても、海外関連事業や部署を狙って新卒入社を狙うという選択肢もあるはずです。

最低限のスキルやマナーを身に着けてから、さらに日本でスキルを伸ばすのもよいですし、第二新卒として海外転職を狙うのもよいでしょう。

蛇足ですが第二新卒として海外転職を狙うのであれば下記の転職エージェントがおすすめです。海外事情にも詳しく、若手向けの海外求人も多く抱えているエージェントです。

もし必要なタイミングが来たら活用してみてください。

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